平成30年3月 海徳寺 寺報

心は仏心に同じ

「竹が真っ直ぐに立っていられるのは間に節があるから」とはよく聞く言葉です。

人も同じこと。

人生に苦難という節があるからこそ、辛くとも大きく成長できるのではないでしょうか。

「厄」は「役立ちの役」そして「飛躍の躍」にも通じるものです。

本書は聖人の大信徒だった四条金吾氏の妻・日眼女に与えられたお手紙です。

この年、女性の大厄といわれる三十三歳に当たることから、日眼女は身延に住まわれた聖人の下へ供養を送り、厄除けを祈願しました。

その返礼状の一節です。

出典:日蓮宗新聞社発行『今月の聖語』

日蓮聖人のご生涯を振り返った時、「大難四箇度、小難数知れず」といわれるように数々のご法難に遭遇されました。

男性の場合には、数え四十二歳が本厄に該当いたしますが、日蓮聖人は四十二歳前後に、伊豆法難、小松原法難と二度の大きな法難に遭われています。

数々のご法難を克服するにつれ、それはむしろ法華経への信仰の深まりであると実感されるとともに、ご自身の使命の揺るぎない確信に転じる天祐となりました。

翻って自身の厄年のここ数年を思い起こすと、実に様々な出来事に直面いたしました。

先代住職の遷化や母親の急逝等の出来事は、そういえばこの四十二歳の男性厄年の時期でした。

先月の節分を終え、立春を迎えました。

立春は旧暦では一年の始まりとされていた日です。

昨年後厄であった自身としては、ようやく厄年から開放され安堵しております。

そして、今年に入ってからは、「飛躍の躍」となるべく、これまでの厄年の間に暖めてきた計画を実行に移しつつあります。

具体的には、境内の駐車場整備や永代供養墓の建立等です。

工事期間中はご迷惑をおかけすることとなりますが、何卒ご容赦下さい。

自身の厄年が、皆様にとっての「役立ちの役」であったなと将来思えるように、鋭意努力してまいります。どうぞご期待下さい。

海徳寺住職 加藤智章

平成30年3月 海徳寺 寺報