ん?徳?得?どっち・・

先日テレビを見ていると、道徳教育についての話をされている方がおり、「最近の道徳って、人の生きいる道を教えても、徳は教えてくれない」と言っておりました。

私には、その方の言うところの徳というニュアンスが、得という意味を捉えている感覚にしか感じられませんでした。

よく商売人が使う言葉に「損して得とれ」とありますが、これは一時的には損をしても将来的には大きな利益になって返って来るとの意味合いであります。どんなに骨身を惜しんでも、損失が出たとしても、必ずや報酬が有るだろうと見越したうえでの損であります。

この時に使う「とく」は、得の方であります。

しかし、道徳で言うところの徳は、見返りを求めるところではありません。

それは精神の修養によって磨かれた品性であり、備わるものです。

人生の正しい生き方(道)は教える事は出来ても、徳というものが何なのかと言う事を、言葉で教える事はなかなか困難な事だと思います。

どうも最近は、目先の損得勘定ばかりに重きをおくようになっている世の中の様に感じてなりません。

「損して得取れ」の生き方も良いでしょうが、

人の為に骨身を惜しんで、本当の「損して徳とれ」という生き方が出来るようになれたらもっと生きやすい世の中になるのではないでしょうか、と思っております。