令和3年8月 海徳寺 寺報

本物の教え

法華経は最も信じ難く理解し難いお経。

それはこの経には有限な凡夫の知恵で無限なる仏の心をつかもうとする挑戦が説かれているからです。混迷する現代の指針はすなわちその法華経。しかし、人々はこの挑戦を避けて目先の安易な教えに付こうとします。それが返って過ちとなることに気付いていないと聖人は嘆かれます。

体が曲がれば当然影も曲がるが如く、教えという本体が曲がれば人々も曲がった方向に導かれて行くことに警鐘を鳴らされたのがこの一節です。

出典:日蓮宗新聞社発行『今月の聖語』

「一犬虚に吠ゆれば、万犬実を伝う」という諺があります。

一人の嘘も万人が言えば本当になってしまうものです。嘘は簡単に広がりますが真実はなかなか伝わりません。なぜなら嘘は人の耳には心地よく、真実は辛口が多いからです。しかし、辛口の中には糧になる言葉が含まれているものです。

私の妻は、非常にステレオタイプでありまして、「皆が言うから大丈夫。皆が言うからきっとそうだ。」とし、あまり考えることなく判断することがあります。どこから湧いて出た根拠のないものでも、皆がそうだからと疑わないお人好しであり、その様な嫁とはいつも意見が対立します。

今、世の中では同じ事が起こっているのですが、テレビ派の嫁、ネット派の私では意見が大きく異なることがあります。言葉の受け取り方が違うのか、それとも放送側の伝え方なのかは判りませんが、どちらかが事実とはかけ離れた紛らわしい放送をしているという事ではないでしょうか。

この武漢肺炎騒動も一年半を経過し、そろそろこのウイルスの正体も明らかになってきております。
そして一人一人が正しい知識を持ちウイルスを認識することで、このパンデミックも収束することと思います。これは命に係わる事でありますから皆さんも安易に聞くだけではなく調べてみてはいかがでしょうか。

(海徳寺山務員・本多経宏)

令和3年8月 海徳寺 寺報