令和5年1月 海徳寺 寺報

秘めたる可能性

この世の中には、自身の目では見えないものがたくさんあります。詩人金子みすゞは『星とたんぽぽ』という詩の中で、昼間の星やたんぽぽの根っ子は「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ」と語りかけます。

私たちは目に見えない大事なものの存在を見落としがちです。私たちの内面には計り知れない可能性が秘められています。だけれども、なかなかそれに気づけないことのほうが多いのです。昔は石を打って火を起こしましたが、普段石の中に火があることを見いだせますか?枯木にどうして満開の花を想像できますか?けれども、きっかけや時が来れば今は見えないものが現れ出るのです。

だから私たちは信じましょう、今は気づいていない未来や大きな可能性があることを。

出典:日蓮宗ポータルサイト『今月の聖語』

新年あけましておめでとうございます。令和五年となりました。 私事ですが、昨年は僧侶を目指している方々の修行のお手伝いをさせていただきました。 様々な年齢の方と生活を共にし研鑽に励みました。 私自身、日々の生活の中で忘れかけてしまっていたこと、あたりまえになっていたことを改めて考えさせられる年でした。

様々な出会いの中で不思議な縁もありました。まさに仏縁です。 目に見えない仏縁をいただき私たちは生かされているのです。 そのことに私たちはただ気づいていないだけなのです。感謝の心を持ちましょう。 目に見えるものが全てではありません。目に見えないから無いのではありません。神仏も同じです。 目に見えないからこそ、素直に真面目に真剣に手を合わせなければいけません。 きっと目に見えないものを大切にするからこそ、運やツキといったものを味方につけることができるのです。 いかに自分自身が目に見えない存在に守られているか、気づき、感謝し、この気持ちを大切に一年を過ごしたいです。

本年も皆様にとって幸多き年となりますことをご祈念申し上げます。 

(海徳寺山務員・山田甲希)

令和5年1月 海徳寺 寺報

海徳寺寺報(令和5年1月)
海徳寺寺報「令和5年1月)