まずは自分を信じる
「自分を信じてあげられないことは夢を失うより悲しい」というような詞を、ある女性歌手が歌っていました。
お釈迦さまの弟子の1人・周梨槃特は物覚えが悪く、他の弟子たちにいつもからかわれていました。自信をなくし修行をやめようと思った時に、お釈迦さまから「自分の愚かさを知っているのはとても大切なことだよ」と諭され、1本の箒を渡されました。やがてその箒で励んだ掃除を通して悟りを得ることができたのです。これは周梨槃特が自分の可能性を信じてあきらめずに修行を続けたからにほかなりません。
なかなか結果が出ないと、人は自信を失います。自分を信じると書いて「自信」。何をなすにも人間の原動力となるのはこの「自信」です。自分を信じて小さな積み重ねからはじめてみましょう。
先月、布教研修所で教えた研修員が結婚をしました。
昨年副主任を務めた私にも披露宴の案内があり初めて宮崎に行きました。
涼しくなり始めた関東と違い、まだまだ暑い。さすが南国宮崎。
研修員がまだ幼い頃、研修員のお父さんが少し離れたお寺の住職になるため当時住んでいた場所から引っ越しをしたそうです。
幼かった研修員は、友達とも離れ離れになってしまうので嫌だと泣いていたそうです。
しかし意を決して引っ越し。当時そのお寺は誰が檀家さんなのかも分からない状況。
近所の方々に挨拶をしながら、ここのお寺の檀家さんではないですか?と聞いて回り、名簿を作っていったそうです。
まさに父であるご住職がゼロから築き上げたようなお寺でした。
披露宴には沢山のお坊さんや檀家さんが集まり、また余興の最後は新郎新婦たっての希望でご住職である新郎の父がバンド仲間と歌を歌う演奏もありました。
最後の親族代表挨拶の中で、新郎の父が息子に、どうしても聞きたかったことがある。この都農町(つのちょう)に来て、お寺に来て良かったか?自分の決断は間違ってなかったか?と。
新郎である研修員は、来て良かった。と叫びました。南国宮崎にふさわしい熱い親子です。
檀家さん達も笑顔で仲の良い素晴らしいお寺です。積み上げた熱意が実を結び、宮崎でも有名なお寺になりました。妙福山龍雲寺(みょうふくざん りゅううんじ)。
決断とは難しいものです。必ずしも全てが良い結果になるとは限りません。また、良い結果になると事前に分かる決断もありません。しかし、たとえ先が見えないような道であっても、困難で大変そうな道でも、法華経、お題目をただひたすらに信じた結果が今回のこの披露宴なんだなと感じ、目頭が熱くなりました。
今年、研修員の父であるご住職は5回目の大荒行に入行します。凄い決断です。
私も負けずに自らの信心を高め、自分を信じ、お題目を信じ生きていこうと思いました。
どんな決断でも大丈夫。自信を持って、信心を持って、生きましょう。
佛様は必ずあなたのそばにいるのです。