令和6年8月 海徳寺 寺報

環境が第一

「酒蔵にモーツァルトの曲を流すと美味しい酒ができる」。そんな蔵元があります。酵母菌が活性化されるためとか。
よい音楽が成育にプラス効果をもたらすことは最近の研究でも明らかで、胎教や音楽療法として近年大いに用いられています。
要因は生物にとり心安らぐ環境が生命力を増し、品格を向上させる源になるというのです。
このお寺の門をくぐって下さい。「南無妙法蓮華経」という音色と響きがあなたに仏さまの品格を与えて下さいますよ!

出典:日蓮宗ポータルサイト『今月の聖語』 2018年5月号

今年も暑い夏がやってきました。連日30度を越す猛暑。こうも暑いと涼しい部屋で過ごせた、昨年の布教研修所が懐かしく思えます。

あれからあっという間に一年ですが、この度信行道場の書記を拝命いたしました。山田上人も2年前の春に主事をお勤めになりましたが、実はそのとき道場生だったのが私でした。

信行道場は年に3回、4月と5月、8月に行われます。私のときは4月で、これは社会人を経験されてから僧侶を志した方など、様々な経歴の方が集まります。この度の8月第三期信行道場は大学生限定でほぼ20代です。日蓮宗宗立学寮や大本山池上本門寺学僧寮など、大学に通いながら小僧さんとしてお勤めをしてきた子も多くいます。

大学の4年間、お経も沢山読んできた子達なので、まだ僧侶になって3年目の私が彼らの上に立つというのは少々荷が重い気がします。信行道場書記就任の要請が来たときも悩みました。

そんなときにふと思ったのが、「地位が人を作り、環境が人を育てる」という野村克也監督の言葉です。書記として初めて過ごす信行道場。恐らくうまくいかないことの方が多いと思いますが、彼らの修行のサポートをしつつ、私自身も初めての環境下でいろいろなことを吸収し、少しでも成長して帰ってこようと思います。

自分を変えたい、成長させたいとき、一番早いのは環境を変えることです。思い切って飛び込めば、今までとは違うあなたに出会えるかもしれません。

(海徳寺山務員・渋谷修大)

令和6年8月 海徳寺 寺報