善根を積もう
新年おめでとうございます。
喜びごとがあると、まず「おめでとう」と言いますが、その語源を辿ると、諸説の1つに「賞賛する」意味の「めで(愛で)る」に甚だしい様を示す「いたし」が付いて「めでいたし」となり、それが縮まって「めでたい」となったそうです。つまり大いに褒め称えるべきことなのです。
ならば「めでたい年」にするには人頼みではなく、自ら称賛値する善根を積む努力が重要になります。その心がけの第1歩はすべてに向かって謙虚になることではないでしょうか。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな。垂れるほど人は見上げる藤の花」 今年の座右の銘にされてはいかがですか。
令和7年となりました。本年も宜しくお願いいたします。
昨年はいかがだったでしょうか。お寺の出身ではない私にとって、初めてお坊さんとしてお寺で過ごす1年でした。また昨年夏には僧侶になろうという若人達の修行のお手伝いをさせて頂きました。その中で色々な方との出会いもあり、誠に有り難い、実りのある一年になったように思えます。
その中で一つ感じたのが、善い行いをすれば、善い結果が巡ってくるということです。佛教には「因果応報」という教えがあります。善い行いには、善い結果が(善因善果)、悪い行いには、悪い結果が(悪因悪果)返ってくるということです。
当たり前のことのようで、自分自身や社会を見ていて本当かと思いたくなることもあるかもしれません。悪い事をしている人たちの方が、善い事をしている人たちより得をしていると。「正直者が馬鹿を見る」という言葉もあります。しかし、かつてギリシャの詩人ホメーロスは「悪は栄えない」との言葉を残しています。
例え短期的に見て悪が栄えることがあったとしても、最終的に栄えるのは善なのです。善根をなす、善い行いをする人は必ず栄えます。是非日蓮聖人の金言を信じて、日々善根を積んで下さい。
本年も皆様にとって、幸多き一年になりますことを御祈念いたします。
(海徳寺山務員・渋谷修大)