令和4年4月 海徳寺 寺報

本当の心

月を見て美しく感じ、花を愛でて気持ちがなごむのは、私たちの心がそれらと呼応するからです。すなわち、私たちの心にはすでに月は美しいもの、花は愛らしいものと感じる清らかな心があるからです。

しかし、私たちは忙しい生活を送るうちに、知らず知らずなごやかさや穏やかさを失い、美しく清らかな心の存在を忘れてしまいます。

そんなとき、合掌すれば、あなたの心の奥にしまわれている月や花を呼び起こし、私たちがもつ本当の心を取り戻すことができるのです。

出典:日蓮宗新聞社発行『今月の聖語』

新年度となり学校や会社など新しい環境に進む方も多いと思います。
何かを始めるのはドキドキします。ワクワクもあるかもしれません。

私事ですが4月15日から35日間、身延山で信行道場の主事という役目を仰せつかり、これから新たに僧侶となる方々の修行をお手伝いさせていただくことになりました。
大丈夫かな、しっかりとできるかな、と心配し準備しながらドキドキしています。
いや、日蓮大聖人の弟子としてお題目を広げる僧侶の育成に携われる喜びを感じています。

私たち人間は悲しいかな老化していく生き物です。
肉体的にももちろんそうですが、どうやら感情も老化していくそうです。
大人になるにつれて感情表現が低くなってきた気がします。
この感情の老化が進むと何かをする意欲が無くなったり、気持ちを切り替えたり、色々なことが億劫になってしまうそうです。そうなると肉体の老化も進んでしまうそうです。

この感情の老化を防ぐには「ドキドキしたり、新しい刺激を受けること」が大事だそうです。色々なことに感情表現豊かに生きる。その「心」が大切です。
楽しい時は楽しい、苦しい時は苦しい、つらい時はつらい。我慢せず精一杯表現しましょう。まさに今私は、道場の準備をしたりと刺激的な毎日を送っています。

皆様もぜひ新しい年度を機会に「心」と「身体」に刺激的なこと、ドキドキできることを始めてみてはいかがでしょうか。

(海徳寺山務員・山田甲希)

令和4年4月 海徳寺 寺報

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