「時」の大事
春に美しい花を咲かせ、秋に実をみのらせる植物。春は花を咲かせることに、秋は実をみのらすことに一生懸命になった結果です。目の前の「時」にベストを尽くすことはとても大事なことです。 同時に、こうも考えられるはずです。春は秋に美味しい実をみのらすために花を咲かせ、秋は来春に美しい花を咲かすために実を結ぶのだと。 現在の花を咲かせることと、未来に実を結ぶことを一つにした祈りの姿が合掌です。
出典:日蓮宗新聞社発行『今月の聖語』
ウィズコロナという言葉が示す通り、新型コロナウイルスとの共生共栄が大切になってきております。今現在の生活などに関する不安。これから先の生活に対する不安。一体これから先の我々はどうなってしまうのでしょうか。
法華経化城喩品第七に「皆共成仏道」皆共に仏道を成ぜん。とあります。すべての人が仏と成ることを祈る。共に助け合いながら生き、共に栄えていく。法華経の精神です。
私達の生きる今というその一瞬一瞬の「時」が過去になり、この積み重ねが未来となります。私達はこの目の前にある「時」を一生懸命に生きることが大切です。
その結果、これからの過去はより良いものに、これからの未来はより素晴らしいものに変わっていくのです。過去、現在、未来は繋がっています。
新しい生活様式や社会の中で大変なことも多くありますが、目の前のことにベストを尽くす。大変な思いをするからこそ、自分自身も過去も未来も大きく変わっていくのです。
大変な時こそ手を合わせ、苦しい時こそお題目をお唱えし、法華経の精神で生きたいものです。