安穏な世を目指して
この文は、「また他の誤りを誡めんのみ」と続きます。世の中を良くするために、良いと思ったことを自分自身にとどめず、他人の誤りを注意していこうということです。
出典:日蓮宗ポータルサイト『今月の聖語』 2024年3月号
私たちは日常生活のなかで、自分だけの正解を相手に押し付けてしまったりすることがあります。それはともすれば、むやみに相手を否定しかねず、発展性のないものになってしまいます。
他人に注意や忠告などをする場合は、一度立ち止まって独りよがりの自分だけの正解にとらわれていないかよく考え、常に相手を尊重し、安穏な世の中を願いながら行ないましょう。
鎌倉時代の日蓮聖人はお釈迦さまが説かれた経典の1つ『法華経』を信仰の基にしましたが、改めてすべての仏教経典を読み込まれて人びとの安穏を願い『立正安国論』という書を著しました。
今年も六月から布教研修所が開所されました。ちょうど一年前の今頃はその布教研修所の副主任をさせていただいておりました。初めての経験でバタバタしていた自分が懐かしいです。大勢の方に助けていただき無事に半年間を勤めあげることが出来ました。様々な縁によって助けられ生かされているのが我々人間なのです。そしてその縁に気づき感謝できるのもまた私たちなのです。
一年が経ち、また新たな縁に出会い、日々学ぶことの多い日常です。なぜ学ぶのか。何のために学ぶのか。それはつまりあなたを救うためです。苦しさ、悲しさ、わずらわしさ、様々な苦しみがあるのが人生です。そんな苦しみの中にあっても幸せを感じることが出来るようになるのが法華経とお題目であり、それが信仰なのです。
私自身まだまだ学ぶことが多いですが、少しでも皆さんの苦しみが穏やかになるように頑張ります。
しかし、私だけが頑張っても良くはなりません。私も頑張りますが皆さんも頑張らなければいけません。自分自身が信仰し祈らなければ良くはなりません。これからも一緒にお題目を信じ、信仰を深めてまいりましょう。その先に安穏な世界は待っているのです。