令和3年10月 海徳寺 寺報

八のかぜにをかされぬを賢人と申すなり

八つの風

人の心を動揺させるものに利・衰・毀・誉・称・譏・苦・楽の八つがあり、それを風に譬えられています。

そして、これらの風が吹いても、平常心を保てる人間のことを賢人と呼ぶとされます。ですから賢人とは、どんな時も人として謹み深く、他者を敬うことのできる美しい心の持ち主のことです。

諸天善神は、このような人の心に住まわれ、その人を守護し、正しく導いて下さるのです。

出典:日蓮宗新聞社発行『今月の聖語』

気が付くともう10月です。
新型コロナウイルス感染症の猛威は未だ衰えず、日々報道される感染者数の多さと感染対策等にどこか慣れてしまっている自分がいます。
今一度気を引き締めなければと自分に言い聞かせます。

私達は生きていく中で得をしたり、褒められたり、称えられたり、嬉しいことや楽しいことがあったりします。またその逆に損をしたり、傷つけられたり、嫌味を言われたり、悲しいことや苦しいことがあったりするのが人生です。そのことを仏教では八風と呼びます。

新型コロナウイルス感染症の影響や対策においても、私たちは今まさにこの八風に吹かれているのだと思います。

日蓮大聖人が四条金吾さんへ送ったこのお手紙のごとく、私達もこの八風に惑わされず、どんな時も平常心を持ち冷静にモノを判断しなければいけません。

その豊かな心こそ、仏様の心であり悟りの心であるのです。
きっと諸天善神様もそんな人のことをお守りしてくださるのだと思います。

八風を理解し、何事にも感謝し、合掌の心を持ち続けていきたいものです。

(海徳寺山務員・山田甲希)

令和3年10月 海徳寺 寺報

 令和3年10月 海徳寺寺報