令和5年7月 海徳寺 寺報

各々思い切り給え

思い切りよく


朝起きたらまず何をしますか? 歯を磨きますか? 顔を洗いますか?
こんな日常の些細なことでも私たちはその都度決断しています。ケンブリッジ大学での研究によると私たちは1日に3万5千回も決断をしているそうです。人生はさまざまな決断の連続なのです。


思い切りよく決断できるにこしたことはありません。でも迷いが生じて、煮え切らないこともあります。気持ちの整理がつかず混乱し、時にはやる気や元気を失ったりします。そんな時、あなた自身と周囲の皆がワクワク笑顔になれるかどうかを判断基準にしてみませんか?


それでもダメだったら、やっぱりこちらも思い切りよく、ゆっくり時期を待つという決断をしてみましょう。悩み迷うことは自分が成長しようとしている証拠です。思い切れる時は必ず来ますよ。

出典:日蓮宗ポータルサイト『今月の聖語』 2023年6月号

先月から日蓮宗布教研修所が松戸市の本土寺内で開所されました。私は仏縁があり、副主任を務めさせていただいております。ようやく一か月が過ぎました。住職である加藤上人にもご講義をしていただきました。


今回入所した研修員は年齢も出身も違う個性豊かな七名の若い僧侶たちです。それぞれが布教研修所に入る。と決断し試験と面接を受け入所しました。熱い志を持って日々研修に励んでいます。しかしながら今までの生活とは全く違う環境の中での研修です。他人との半年間という長い共同生活です。人間関係もそうですが、時には悩み、苦しみ、迷いながらも歩を進める彼らを後ろから応援し思い切り頑張れ。と背中を押しています。


どちらか一方を選択することだけが決断ではないと思います。じっくり悩む。という決断もあると思います。自分の心は何と言っているか?日蓮聖人ならどうするだろうか?そんなことを考える時間もきっと必要なのです。


この半年は自己の研鑽の為はもちろんですが、悩み苦しむ方を救う為、そして全ては法華経・お題目を弘める為の力を養うための期間です。悩み苦しんだ先に必ず大きな成長があります。悩むことは大切な時間でもあります。同じ志を持った仲間もいます。しっかりと悩んだ先に必ず光は見えてくるのです。そんな彼らと共に悩み、共に成長したいと思います。いつか日蓮聖人と笑顔でお会いできるためにも。


(海徳寺山務員・山田甲希)

令和5年7月 海徳寺 寺報