令和8年7月 海徳寺 寺報

お題目の効能

なんだか今日は気分が沈んでしまうな。学校に行きたくないな。会社に行きたくないな。私たちの日常には思い通りにならないことがあります。

気がつかないうちに自分自身が繰り返してきた思考や行動が元になって、苦しみを生み出すこともあります。ひとつのことにとらわれたり、考えが一方通行になったりして、心も身も疲れ切って動けなくなってしまうこともあります。そんなときこそ、お題目「南無妙法蓮華経」を唱えてみてください。

古来、琥珀は浄化作用があると考えられていました。磁石は鉄を引き寄せます。日蓮聖人はお題目もまた琥珀での浄化や磁石のように私たちの悩みや苦しみを吸い取ってくれると説かれ、「〝南無妙法蓮華経〟と唱えて、それを日常の習慣にしましょう」と仰っています。

どうか気持ちを込めてお題目を唱え、心を取り戻すお題目の効能を味わってください。

出典:日蓮宗ポータルサイト『今月の聖語』 2026年6月号

先日、義理の父の壱周忌法要を菩提寺にて行っていただきました。家族親族一緒になってご供養をいたしました。お亡くなりになってから自分自身、もっと何か出来たのではないか、ああすれば、こうすれば良かったのでは、等と考えて後悔していました。精一杯、自分に出来ることはしたつもりですが、やはり考えてしまいます。それは私の妻も同じでした。

手を握りながら亡くなり、枕経、通夜、葬儀、四十九日忌、埋葬、新盆供養と法要を営む際も、ごめんなさいと言う気持ちがどこか大きかったように思います。一体どんな行動をすれば良かったのか、今でも悩みます。義理の息子として、夫として、そして僧侶として、答えを探す日々です。

壱周忌で妻や娘と息子、孫と一緒にお唱えしたお題目。どこか懺悔(ざんげ)の気持ちもあるお題目でした。しかし、何度もお唱えするうちに、一緒にお題目をお唱えしてくれる家族や親族のみんながいることが有難いなと思いました。結婚してから今に至るまでの生活を思い出し、私との結婚を認め、家族として一緒に生活してくれた今は亡きご両親。改めて感謝の気持ちで一杯でした。そして、こうして皆でお題目を唱えて供養できる有難さと感謝をかみしめました。出来なかったことを後悔することも大切ですが、こうして皆で手を合わせ供養を行えることの有難さ。周りには皆がいるんだよ。と、そのことをお題目が教えてくれました。改めてお題目とは本当に尊く、有難いものであると思います。 

(海徳寺山務員・山田甲希)

令和8年7月 海徳寺 寺報