令和5年3月 海徳寺 寺報

いのちの源

「親孝行、したい時に親はなし」。
日蓮聖人の教えを一言で表すならば「知恩報恩」に尽きるのではないでしょうか。

受けた恩の深さを知れば、報いずにはいられない。その心を聖人は法華経から受け取られたのです。

親の恩に気付くことは、取りも直さず、自らの命の源に気づくことであり、生かされている自分の存在の重さ、尊さに目覚めることでもあるのです。

出典:日蓮宗ポータルサイト『今月の聖語』

先日、自分自身が写った動画を見ました。
そこに写っていたのは本当に自分か?と思うくらい父親に似た自分自身でした。
顔はよく似ていると言われますが、自分で感じたのはもっと内面的な部分でした。
幼いころから見ていた父親の姿が知らず知らずのうちに自分の中に宿っていたのです。
改めて自分の中には両親がいるんだなと感じました。
その存在は決していなくなることはありません。なぜなら自分自身だからです。

今こうして生きているのは両親のおかげです。そしてご先祖様のおかげです。
今まで見てきた背中を今度は自分の背中として子供たちに見せてあげられているか。
親にしていただいたことをあたりまえのように子供たち、そして孫たちへ伝えられているか。
自問自答の日々です。親とは偉大な存在ですね。
今月はお彼岸があります。親からいただいた命です。ご先祖様からいただいた命です。
親に感謝するとともに、ご先祖様に感謝しましょう。
子を思う親の気持ち。今になって実感します。本当にありがたいものです。
親を思う子の気持ちも少しでもいいから伝わってくれていると嬉しいです。
いや、伝えなければならないのがお彼岸です。
電話したり、会いに行ったり、お墓に手を合わせに行きましょう。

(海徳寺山務員・山田甲希)

令和5年3月 海徳寺 寺報