令和3年7月 海徳寺 寺報

信仰者のあり方

「短気は損気」とよく口にしますが、日頃の心がけで大切なのは俗に忍耐といわれます。
しかし、一般に忍耐というとただひたすら自分を抑えて堪え忍ぶために、いつか限界が来るのではないでしょうか。
一方、法華経では忍辱を説きます。忍辱は自己の成長、成仏の糧として今を受け入れる心持ちです。
プラス思考かマイナス思考かによって今後の人生に雲泥の差が生れてくるのではないでしょうか。

出典:日蓮宗新聞社発行『今月の聖語』

新型コロナウイルスによって私たちの生活は大きく変わりました。
生活だけではなく仕事環境も変わった方が多くおられます。

前例のないウイルスだけにその対策は難しいものがありました。
何をどうすればいいのやら。分からないことだらけです。

思い通りにならないこともあります。
失敗することもあります。

大切なのは忍耐、忍辱、耐えることです。

怒りや苦しみは自分の思い通りにいかないことに対して沸き上がる感情です。
仏教の六波羅蜜と言う修行方法のなかにも「忍辱」があげられます。

自己の感情のままに怒りや憎しみ、苦しみを他者にぶつけるのではなく。
冷静になってなぜそう思うのかを考えてみる。
他者に原因を求めるのではなく、自分の中に原因を探ってみる。

失敗をした時もそうです。
自分の悪いところ、弱いところをしっかりと見つめることによって
忍耐力が養えるといいます。

どうにもならないことがあるのが人生です。
あるがままを、あるがまま受け入れる。
それこそが忍辱なのです。

コロナによって見えてきたもの、気づかされたこと。
受け入れて共に生きていきましょう。

(海徳寺山務員・山田甲希)

令和3年7月 海徳寺 寺報