平成28年8月 海徳寺 寺報

海徳寺第四世 加藤海正上人『活きる道』

不具でなければと悲しんでいる人がある さぞお苦しみでしょう
貧乏でさえなければとなげいている人がある さぞお困りでしょう
死んだ方がましだと考える そのお心持ちもよくわかる
だが、あなたよりもっと苦労しながら立ち上がった人がある
もっと困っていながら切り抜けた人がいる
絶望してはならない
人生には必ず生(活)きる道がある
苦を呪うよりも 自分の心の在り方を反省する事だ
人の幸福を羨むよりも 自分の持ちあわせる力で努力する事だ
いまの栄光に輝く人々は みなその苦難を乗り越えた人だ
そして真心をもって人の為奉仕しよう
他を幸せにすると自然に自分が幸になる

昭和三十八年一月一日 加藤海正(海徳寺第四世)

活きる道

今月の掲載いたしました上記言葉は、海徳寺第四世加藤海正上人の手による報恩道語(昭和三十八年一月一日発行)より引用したものです。

六月に行われたお寺の勉強会の際に、市川の御住職が、海正上人のこの言葉を紹介し、初めてこの『活きる道』という言葉を知りました。その御住職は僧侶になってから五十年近く経ち、様々な方々から教えを請う機会があったが、その中でも尊敬する僧侶の一人に挙げられるのが、海徳寺の加藤海正上人で、鞄の中にはいつも海正上人が記したこの『活きる道』を同封しているというお話でした。また、海正上人のお人柄や、海徳寺を建立する時の苦労話も紹介されました。

海正上人代スイカ割り

現在、お寺に残された様々な写真を整理しております。その中に、海正上人が海徳寺で行った「スイカ割り」の模様が写った写真が出てまいりました。白黒写真で、現在とは大きく異る境内の様子から、おそらく昭和三十年代頃の写真かと思われます。多くの子供達が楽しそうにしている海徳寺での写真を目にするにつれ、歴代の御住職達が積み重ねてきた海徳寺の歴史を考えるとともに、お寺を多くの人が笑顔で集える場所にしたいという思いをより一層強く持つようになりました。海徳寺が皆様にとって開かれたお寺になれればと思う今日この頃です。

(海徳寺住職・加藤智章)

平成28年8月 海徳寺 寺報

報恩道語表紙(平成28年8月号)1ページ

報恩道語表紙(平成28年8月号)3ページ

報恩道語表紙(平成28年8月号)2ページ

報恩道語表紙(平成28年8月号)4ページ